“暗闇の世界”で生きられますか 『むり』

日本ではどうして、とにかく生きろと言うのか・生かそうとするのか/生きてさえいればいい、と言う方向にしか進めないのか、NHKスペシャルでさえこういう方向に作る。
NHKスペシャル
決して自殺がいいものとは思わない、勧めもしない。でも延命拒否は権利でもある。
突然他人の人生に土足で割り込んで来て、自分は健康なくせして偉そうに講釈をたれる。24時間365日がこの状態で、よくなる見込みはなく、日に日にできなくなることがが増え、増えていくことが想像できてしまう毎日毎日毎日。10分経ったか、1時間経ったか、1日経ったか、さえもわからない。そういうことには耐えろ、負けるな、がんばれと言う。こういった気力の面、精神面だけが取り上げられる。

24時間365日の現実は『放送』には適さないでしょう、でも現実はそこにある。
難病指定であれば国から治療費に対しては金銭的補助も受けられるが、一家の大黒柱の収入が途絶えていることを忘れている。補助は治療費によるマイナスを埋めるだけだ。プラス(収入)ではない。
番組で途中出てきた家族(閉じ込め状態になっていても生きているだけで子供の成長にはよい影響を与えていると奥さんが話されてクリスマスを祝っていた家族、お名前失念)のところは、夕食時にヘルパーさんが来ていた。奥さんはつきっきりっぽかった。家の中もベッドが移動できるように配慮されていたし、“ちゃんと”していた。おそらく何らかの形で収入があって結構裕福。
(派遣等々の話でもあるけど)健康な人でさえも生きて行くにはお金が必要。その現実からは目を背けて「がんばれ」というのは無責任じゃないのか?
サブタイトルというか番組カテゴリを柳田邦男との対談とするならまだしも「医療・健康」ってのもどうかと思う。